妻「できない！全然できない！」 - 引き起こし -
予備知識ゼロ、いきなりのバイク引き起こし
Googleさんに聞けば何でも知ることができる時代。
実戦に臨む前に、知識や理論で武装するのが当たり前……そう思っていたのですが。
私たち夫婦、全く武器を持たずに戦場へ突撃してしまいました。
そう。
小柄な方、筋力のない方がバイクの免許を取得するとき、最初にぶち当たる壁が、
- 倒れた状態からバイクを起こしてサイドスタンドを掛ける（引き起こし）
- 立っている状態のバイクのセンタースタンドを掛ける（センタースタンド掛け）
この二つ。そもそもバイクに跨る以前の話です。
「バイク」「教習所」「女性」などで検索すると必ずヒットします。
何故こうなった
入校手続きのため、教習所に向かった妻から着信アリ。
妻 「小型やってないって」
夫 「えーホームページにはあったよ」
妻 「取る人いないから今は受付してないんだって」
夫 「（田舎の小さな自動車学校だし、こんなこともあるのか）」
そうなんです。
妻は、小型自動二輪（排気量125ccまで）の免許が欲しかったんです。
Youtubeで動画（モトブログ）を見るのにハマっていて、そこで見つけた「モンキーってバイクかわいい！」ってところが出発点でしたから。
妻 「どうしよう……」
夫 「中型とればモンキーも乗れるけど、大丈夫？」
妻 「やってみようかな」
夫 「無理そうなら途中で辞めてもいいから」
モンキーに乗りたいって言いだしたのも突然でしたが、免許も突然普通自動二輪免許（排気量400ccまで）を取得することになってしまいました。
夫、想定外に戸惑う
小型ならってことで、 妻の体格とか筋力は全く心配していなかったんです。
半クラッチとか、一本橋とか、スラロームとか技術的なところは、少し話してたんですけど……
普通二輪教習用の教習車（ホンダ CB400SF）は重いです。200kg程度のはず。
大型教習車（ホンダ NC750S）と大きな差は無かったりします。
大柄な男性なら、腕の筋力で強引に起こすことは可能でしょうけれど、小柄な女性はコツを身につけないと難しいです。
入校手続きの朝。
夫 「（やばい。全く引き起こしの事教えてなかった）」
教習所にて。
妻 「……今日はできなかったので帰ります」
今回は入校の手続きと、引き起こしの練習だけさせてもらい、しょぼくれて帰ってきました。
入校式は後日として、それまでに引き起こしの練習をしに行くことに。
ここをクリアしないと、教習を受けさせてもらえないそうで。
「誰でもできる」は危険
夫 「コツって言っても引き起こしに困ったことないしワカラン」
夫 「（とりあえずネット検索、引き起こしのコツ、動画探さねば）」
夫 「これどうよ？（リンク送信）」
妻 「見てみるー」
妻 「こんな感じでやったけど全然あがらないよ！（半分怒）」
夫 「（う～む～）……」
どの動画も、「コツをつかめば簡単」「引き起こしは難しくない」そこを強調し過ぎなんです。
妻はとても素直。人に言われたことは信じてしまいます。
妻 「（だれでも簡単にできるはずなのに、自分はできない……泣 ）」
結果、メンタルの方向性がこうなるんですね。
ヒントは「クラウチングスタート」
それでもネットでの知識と、実際のバイク引き起こし練習が噛み合う日がやってきました。
妻 「クラウチングスタートね」
妻 「少し持ち上がるようになった！＼(^_^)／」
そうです。短距離走のスタートのフォームのことです。
いくつかのネットの記事や動画で、バイク引き起こしの姿勢をこれに例えていたんです。
最初はピンと来てなかった様ですが、練習しているうちに、ネットで叩き込んだ頭の中のイメージと体の使い方がこの言葉で繋がり、イケる！という手ごたえを感じたみたいです。
引き起こし成功！
入校式当日。
ついに１回引き起こし成功！
ほぼ火事場のバカ力だったみたいです。
やっとスタート地点に立てました。
夫 「（ここまでで心が折れなくてホント良かった～）」
正直、自分何の役にも立ってません。
妻の根性に救われました。というより、そこまで本気だったのかと驚いたくらいで。
それでも困難は続く
一時の喜びはあっても、ここからがまた困難な道。
引き起こしの成功率は100%ではないのです。
基本的に教習中に倒してしまったら、自力で起こすのが原則。もう少し練習するように言われて来たようです。
200kgのバイクを起こすには妻の筋力はギリギリ。
- 最初の手足のポジション
- 少し上がった時の腰を寄せるタイミング
- 足を踏み込んで下半身を伸ばすタイミング
この辺をキッチリ連動させて、テコの原理を有効に利用しないと、ダメです。
そして基礎体力がないので、一日にそう長く練習することはできません。
この後の教習開始で、何度も倒すので必然的に上達することにはなるのですが……
